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栗駒山の紅葉を見に。……『神の絨毯』の前で、言葉はいらなかった

栗駒山の紅葉を見に。……『神の絨毯』の前で、言葉はいらなかった

……こんにちは。

東北イタコです。

先週、ずん子と二人で 栗駒山 へ行ってきました。

紅葉を見に。それだけの目的で。


⛰️ 栗駒山のこと

栗駒山は、標高 1,626メートル 。

宮城・岩手・秋田の、三つの県にまたがっています。

秋になると山肌いちめんが赤と黄と橙に染まって、その姿から 「神の絨毯」 と呼ばれるようになりました。

日本屈指の紅葉、と称されることもあります。

……名前を先に聞いていると、少し身構えてしまうものです。

大げさなのではないか、と。

実際に立ってみて、思いました。

大げさではありませんでした。


🌄 朝、暗いうちに出ました

出発は、まだ空が藍色のうち。

理由は三つ。

  • 昼近くになると、駐車場も道も混むから
  • 山の天気は午後に崩れやすいから
  • 朝の斜めの光で見る紅葉が、いちばんきれいだから

ずん子は、車に乗ってすぐ「まだ眠いわ」と言っていました。

……それでも来る人です。そういうところが、この妹の強いところ。

宮城側の登山口は いわかがみ平 。

七合目にあたる場所で、駐車場もそこまで通じています。

車を降りて、顔を上げた瞬間でした。

ずん子「……わあ」

イタコ「……」

私は、何も言えませんでした。

赤。橙。黄。ところどころに残る深い緑。

それが山の斜面いっぱいに、途切れずに続いているのです。

絨毯という言葉を選んだ人は、正しかったと思います。

朝の光を受けて赤と黄に染まる栗駒山の山肌を見上げる東北イタコと東北ずん子

しばらく、二人とも黙って立っていました。

……こういう時間のために、早起きをするのだと思います。


🍁 見頃は、山の上から下りてきます

栗駒山の紅葉には、順番があります。

  1. 山頂付近 … 例年9月下旬から10月上旬
  2. いわかがみ平のあたり … 例年10月上旬から中旬
  3. 山麓 … 例年10月中旬から下旬

高いところから色づいて、少しずつ麓へ下りてくるのです。

私たちが行った先週は、ちょうど 山頂付近は終盤、中腹が見頃 というころでした。

上を見上げれば、葉を落としはじめた木々。

足元を見れば、いま最も濃い赤。

……同じ山のなかに、二つの季節が並んでいました。

だから「もう遅い」も「まだ早い」も、標高によって答えが変わります。

出かける前に、その年の色づき具合を確かめてから行き先の高さを決めるのがいいと思います。


👣 中央コースを、少しだけ

いわかがみ平からは、 中央コース が最も歩かれています。

山頂までは、片道1時間半ほど。

朝もやが残る道を、二人でゆっくり歩きました。

朝もやの残る登山道を並んで歩く東北イタコと東北ずん子の後ろ姿

足の下で、落ち葉が乾いた音を立てます。

風が抜けるたびに、また一枚、二枚と落ちてくる。

ずん子「イタコ姉さん、寒くない?」

イタコ「……大丈夫。手袋、持ってきた」

ずん子「さすがね」

平地の感覚で服を選ぶと、山では必ず後悔します。

風の当たる場所では、体感がぐっと下がりますから。

  • 重ね着ができる上着
  • 手袋と、耳まで隠せる帽子
  • 履き慣れた靴
  • 温かい飲みもの

……そして、いちばん大事なこと。

引き返す時刻を、先に決めておくこと。

山頂まで行くことより、明るいうちに戻ることのほうが大切です。

私たちも、この日は途中で引き返しました。

……それで十分に満ち足りていましたから。


🚗 行き方のこと

紅葉の時期の栗駒山は、とても混みます。

そのため マイカー規制が行われ、シャトルバスが運行される日 が例年あります。

規制の日程や運行の時間は、年によって変わります。

……ここに書き写すより、行く前にその年の最新の案内を確かめてください。

そのほうが、確かです。


🍂 なぜ、葉は色づくのか

道を歩きながら、ずん子に聞かれました。

ずん子「そもそも、どうして紅葉するのかしら」

イタコ「……葉が、店じまいをするから」

冬が近づくと、木は葉に養分を送るのをやめます。

緑の色素が壊れていき、もともと葉の中にあった黄色が表に出てくる。

赤い葉は、残った糖から新しく赤い色素が作られると言われています。

つまり紅葉は、木が枯れているのではなく、 冬を越すための準備 なのです。

昼と夜の気温差が大きいほど、色が濃くなるとも言われます。

……別れの支度が、いちばん美しいというのは。

少し、人に似ています。


🍡 留守番の子の話

本当は、三人で行くはずでした。

前の晩、ずんだもんは「絶対に起きるのだ」と何度も言っていました。

起きませんでした。

帰ってきたら、玄関で待ち構えていて。

ずんだもん「お土産は!?お土産はあるのだ!?」

イタコ「……起きなかった子に、お土産はない」

ずんだもん「……そんなぁ」

ずん子「はい、これ」

ずんだもん「ずん子さま!!」

……甘いのです、この妹は。

でも、渡していたのは食べものではなくて、拾ってきた真っ赤な葉が一枚。

ずんだもんは少しだけ黙ってから、それを大事そうに本の間に挟んでいました。

……ちゃんと分かっている子です。

来年は、起こしてあげましょう。


🍁 まとめ

  • 栗駒山は標高1,626メートル。宮城・岩手・秋田にまたがる山です
  • 秋の山肌は「神の絨毯」と呼ばれています。……大げさではありませんでした
  • 見頃は山頂付近から始まり、いわかがみ平、山麓へと下りてきます
  • 紅葉期はマイカー規制が行われることがあります。日程は必ず最新の案内を確認してください
  • 防寒と早出、そして引き返す時刻を先に決めること

私のことは 東北イタコ 、一緒に登った妹は 東北ずん子 のページに書いてあります。

……山は、逃げません。

でも、その年のその色は、その週にしかありません。

行けるうちに、行ってください。

……それでは。

東北イタコでした。