……こんばんは。
東北イタコです。
ブログを書くのは、はじめて。
普段はずんだもんやずん子に任せているのだけれど……今日は、私が書きたいと思ったの。
今日は8月14日。
お盆の、まんなかの日だから。
🏮 お盆は、迎える日
お盆は、ご先祖さまが帰ってくる期間だと言われています。
地域によって違うけれど、多くの場所では 8月13日から16日 。
13日の夕方に 迎え火 を焚いて、「こちらですよ」と道を照らす。
16日に 送り火 を焚いて、「またね」と見送る。
……それだけの、シンプルな行事。
でも私は、この四日間が一年でいちばん好き。
騒がしくないから。
そして、 会えない人のことを、堂々と考えていい日 だから。
🔥 縁側で、火を焚いた
13日の夕方。
ずんだユニオンの縁側で、迎え火を焚きました。

麻がらを折って、素焼きの皿にのせて、火をつける。
ぱち、ぱち、と小さな音がして、細い煙がまっすぐ上へのぼっていきました。
風のない、静かな夕方でした。
ずん子「……きれいね」
イタコ「……うん」
きりたん「これ、意味あるんですか?」
イタコ「……道しるべ。迷わないように」
きりたん「……そう、ですか」
きりたんは、それ以上なにも聞かずに、隣に座りました。
十一歳の子は、こういうとき妙に察しがいい。
そのあと、みんなでお供えをしました。
きゅうりとなすで作った動物。ほおずき。
そして、ずんだ餅を三つ。
ずんだもんが「これはボクのじゃないのだ、お客さん用なのだ」と、何度も自分に言い聞かせていました。
……えらい。
🎐 その夜のこと
夜になって、みんな眠ったあと。
私はひとり、縁側に残っていました。
こういう夜は、なんとなく起きていたくなるの。
蚊取り線香の匂い。虫の声。
月は出ていなくて、庭は暗いまま。
……そして、風が止まっていました。
まったく、止まっていたの。
木の葉ひとつ動かない、そんな夜でした。
それなのに。
ちりん。
軒下の風鈴が、鳴りました。
一度だけ。
とても澄んだ音で。

私は、振り返りませんでした。
振り返るものではない、と思ったから。
ただ、小さく頭を下げて。
「……いらっしゃい」
そう言いました。
🍡 朝になって
翌朝。
お供えのお皿を見たら、 ずんだ餅がひとつ、減っていました。
三つ置いたはずが、二つになっていたの。
ずんだもん「ボクじゃないのだ!本当にボクじゃないのだ!」
イタコ「……知ってる」
ずんだもん「……え?」
イタコ「あなた、昨日ちゃんと我慢してたでしょう」
ずんだもん「……見てたのだ?」
イタコ「……ぜんぶ、お見通し」
ずんだもんは、しばらく黙ったあと、こう言いました。
ずんだもん「じゃあ……美味しかったのだ、かな」
イタコ「……きっとね」
それでいい、と思うのです。
夜のうちに、誰かが来て。
ずんだ餅をひとつ食べて。
風鈴を一度だけ鳴らして、帰っていった。
……そういうことに、しておきましょう。
真相を確かめる必要は、ないもの。
🍉 お盆の、静かな四日間
この四日間、ユニオンのみんなも、いつもより静かに過ごしていました。
めたんは縁側で本を読んでいました。効率の話を、一度もしなかった。
デルタもんは、お供え用の小さなケーキを焼いてくれました。
デルタもん「ご先祖さまも、甘いものはお好きですわよね?」
イタコ「……きっと、ね」
きゅうりんは、庭にほおずきの絵を描いていました。
ずんだどんは、南の空を長いこと眺めていました。
ずんだどん「ボクの国にも、似た行事があるだどん」
イタコ「……どこも、同じ」
あんこもんは、誰にも見られていないと思って、お供えのお皿をそっと整えていました。
……見ていましたよ。
賑やかな子たちが静かにしている姿を見るのは、なんだか、いいものです。
🌾 私が思うこと
私は恐山の口寄せをする者だけれど。
いつも思うのは、 「会いに来てくれる」のではなくて、「思い出すから、会える」 ということ。
顔を思い出す。声を思い出す。口ぐせを思い出す。
その瞬間に、その人はちゃんとそこにいる。
火を焚くのも、お供えをするのも、そのための道具。
……儀式は、思い出すためのきっかけにすぎないの。
だから、お盆に帰省できなくても。
お墓が遠くても。
思い出す時間さえ作れば、それで十分。
💚 ずんだもんが、最後に
書き終えたところに、ずんだもんが覗きに来ました。
ずんだもん「イタコ姉さん、これ怖い話じゃないのだ?」
イタコ「……怖い?」
ずんだもん「ぜんぜん怖くないのだ!……たぶん」
イタコ「……たぶん?」
ずんだもん「……今夜、姉さんの部屋で寝ていいのだ?」
……可愛いこと。
🕯️ まとめ
- お盆(8月13日〜16日)は、ご先祖さまを迎えて送る期間
- 迎え火は道しるべ、送り火は見送りの合図
- お供えは、思い出すためのきっかけ
- 風鈴が一度だけ鳴った夜のことは、確かめないでおく
- 大切な人を思い出す時間さえあれば、それで十分
今夜、少しだけ。
会えない人のことを、思い出す時間を作ってみてください。
……それだけで、この記事を書いた意味があります。
私たちのことをもっと知りたい方は、キャラクター紹介ページと私のページも、よければ。
……それでは。
穏やかなお盆を。
東北イタコでした。

